なしの効能

8月 20th, 2009

原産地中国では、なしはのどの渇きに効き目が顕著であることが知られていて、〝百果の宗″ と呼ばれ、昔から広く利用されてきたといわれています。特に、漢の武帝は、乾燥する北部の土地はのどを痛めることが多いと、庭園になしを栽培していたといいます。

なしは豊富な水分を含んでおり、薬効といえば、この水分によるところが大きいわけです。特に風邪で熱があり、のどが渇く、せきが出る、たんがからむなどには効果的です。

その他の成分としては、糖分、リンゴ酸、クエン酸、ビタミン類などですが、消化酵素も含んでいますので、消化促進の薬効があります。なかでも肉料理の消化増進に効きます。また、果実がザラザラとした感じがするのは、石細胞があるからで、これは便秘に効用ありです。ただ、消化器系の病気がある人には不向きです。

風邪の熟でのどが渇くとき

なしの水分は果実の89%です。熱でのどが渇いたときの効果的な方法があります。なし1個を薄切りにし、それを冷水300ccほどに半日ほど浸し、その汁を飲むのです。これで熱が和らぎ、のどの渇きも止まります。
同じ風邪でもせきやたんが出るときには、しぼり汁を煮汁にして飲むようにします。それには、なしを1~2個ジューサーでしぼり、これにしょうがのしぼり汁をほんの少量、はちみつ少量を加えて弱火にかけて煮つめます。とろとろになったところで火を止め、これを一日1回飲みます。せきやたんが切れてよくなります。

声がかれたらうがいする

のどの乾燥で声がかれたようになり、よく出ないときには、しぼり汁でうがいをします。なしを1~2個はどジューサーにかけてしぼり汁をとり、これでうがいをします。のどを潤すのはもちろんですが、肺も潤しますから、声がれがよくなるというわけです。

肉料理に欠かせないなしの効用

肉料理は腸に負担をかけますから、早めに消化されたほうが腸のためにもいいのです。そこで、肉料理のあとは、なしを食べて蛋白質の分解を進めることです。デザートになしの砂糖煮などはいかがでしょう。甘みを極力控えれば、結構おいしいデザートです。

二日酔いには蓮根と一緒に

二日酔いのとき、早くすっきりさせるためには、水分をたくさんとり、アルコール分を身体の外へ出すことです。それにはなしと蓮根を同量ジューサーにかけ、ジュースにして飲むようにします。このジュースは中国では過密折といい、薬膳にも用いられています。

あせもになしの葉風呂

あせものかゆみは耐えられないことがあります。特にひどくしてしまったときは大変です。あせもにはなしの葉の風呂が効果的です。
なしの葉適量を風通しのいい所で乾燥させます。これを布袋に入れてお風呂に入れ、水から沸かします。この中にゆっくりと入浴するのです。あとを清潔にしておくと、かゆみもとれ、早くよくなります。

すいかの効能

7月 1st, 2009

 すいかは、漢字で西瓜と書きますが、これは中国に伝えられたままの名前を用いたもの。原産地はアフリカで、中国へは西から渡ってきたことになり、ウリ科の果物でしたから、この名前がつけられたわけです。日本には平安時代にすでに入っていましたが、16世紀の終りに再度オランダ人によって伝えられたそうです。
 すいかの薬効は、利尿作用にあります。アミノ酸の一種であるシトルリンが含まれており、これが利尿作用に働くため、昔から腎臓病の妙薬といわれ、腎臓だけではなく、心臓病、高血圧などにも用いられてきました。また、中国では暑気あたりや糖尿病に用いる漢方の〝白虎湯″と同じ働きをするといわれ、すいかを別名〝天然の白虎湯″とも呼んでいるそうです。

 それに、思いのほか栄養的にもバランスのいい食べ物です。水分のほか、ビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、カリウム、リン、鉄分、アミノ酸が含まれています。ただ、胃腸の弱い人や冷え性の人は食べすぎないように。かえって逆効果になります。

すいか糖の万能薬的効果

 音、すいかのとれない季節に、腎臓病の人の妙薬として作り出されたのがすいか糖です。心臓病、高血圧、妊娠、その他水分のとりすぎによるむくみなどに、また、風邪でのどが痛い、たんがからむときなどにも有効です。少し面倒なのですが、すいかが出回る季節に、すいか糖を作っておいてはいかが。
 すいか2~3個の果肉をしぼり、そのしぼり汁を鍋に入れて、中火で気長に、こびりつかないようにしゃもじでかき混ぜながら煮つめます。5~6時間かけて珊ccくらいまでにし、汁にとろみがつき水あめ状になったらさらに煮つめ、どろどろ状で出来上りです。瓶に移して保存します。
 特に種も一緒に煮るとより効果があります。煮っめて、果汁が猶のところで種を取り出し、さらに煮つめるのです。種には、止血、痛み止めの薬効があります。飲むときは10ccをお湯に溶いて。

熟、せきにはしぼり汁

 すいか宛の果肉をしぼり、そのしぼり汁を飲みます。少し冷やしておくと効き目がよりアップします。うわごとを言うような熱のときもしぼり汁で熱が下がり、せきや舌のかさかさもよくなってきます。

口内炎にもしぼり汁

 ヒリヒリ痛みを伴う口内炎にもしぼり汁です。すいかを少ししぼり、その汁を口に含み、しばらくして吐き出します。数回くり返すといたみが治まってきます。

すいかの皮で、肌のマッサージ

 皮をちょっと水で洗い、小さく切り、それで顔、手、ひじ、ひざ、かかとなどをマッサージする要領でこするのです。あとは水で流します。肌荒れもなくなり、つるつるになってきます。

日焼けにすいかバック

 食べ終わったすいかの皮を洗って冷蔵庫で冷やし、それをほてった肌にはります。冷たくした皮が熱を奪いますから、ほてりは治まってきます。乾いたら取り替えて、早めに熱を除きます。日焼けは一種のやけどですから、ひどくならないようにあとの始末をきちんとしておきます。

すいかの漬物

 皮を洗って漬物にします。ぬかでも、塩漬けでも。皮の部分には、コレステロールを少なくする、血管拡張をするなどの作用を持つ成分が含まれています。外側の緑部分は取り除いて、白い部分だけにし、バナナくらいの大きさに切って漬けます。2~3日でおいしく漬かります。

すいかの種をだしの素に

 すいかの種も利用を。種を集めて洗い、フライパンで軽くいり、乾かします。これを袋に入れ、沸騰したお湯に1~2分、一煮えしたら引き上げます。これでおいしいだしの出来上り。だしをきらしたときは、こんな利用法も試してみては。

びわの効能

12月 22nd, 2008

 原産地中国では、実や葉ばかりではなく、花、種、根も薬用に使っているそうです。日本には、奈良時代に伝えられ、この時一緒に薬用としての使用法も伝来されたようで、施薬院にびわの葉療法が行なわれていたと記されています。また、江戸時代の記録によると、夏には「びわ薬湯売り」という商売が町中を歩いていた、とありますから、びわは古くから人々の治療薬であったといえましょう。

 ごく最近では、こうした効果が再び見直されたせいでしょうか。びわ温灸などが復活しはじめて
いるようです。

 びわの実には、糖質、カロチン、ビタミンB、リンゴ酸、クエン酸、カルシウム、鉄分などが含まれています。風邪のせき、のどの渇きなどに薬効があります。葉には、サポニン、タンニン、ビタミンB1が含まれ、せき止め、去痰、暑気あたり、腸炎などに薬効があります。最近では、葉から抗ガン成分が発見され、ますます注目されるようになっています。

のどの渇きにはそのまま

 のどが渇くときには、実を食べます。びわの水分がのどの渇きを潤してくれます。特に風邪で熱があるときには思いのほか効果があります。2~3個ほどで渇きには充分といえましょう。ただ、とってからあまり時間がたったものは水分が少なくなっていますのでご注意を。

せき止めには葉の煎じ液

 せきがかなりひどいときには、葉の煎じ液を飲みます。
 びわの葉20gを、よく洗い、産毛を取り除き、これに300ccの水を入れて、半量になるまで煮つめた液を飲みます。のどや肺が潤いますから自然にせきが止まります。煎じ液が苦手な人は、びわの実をしぼった汁に葉と氷砂糖を加え、これを弱火で半量くらいまで煮つめたものを飲んでもいいでしょう。

びわ茶の風邪やたん予防効果

 びわの葉を煎じるのではなく、もっと手軽に作るお茶は、風邪予防やたんの予防、また夏パテ予防や疲労回復にも効果があります。簡単ですから作ってフリージングしておいてはいかがですか。
 びわの葉をよく洗い、表面の産毛はタオルでふきながら除き、陰干しにしてよく乾燥させます。すっかり乾燥し、つかむとパラパラと崩れる程度になったら、手でもんで、細かくお茶のようにします。
 これを、お茶と同じようにいれて毎日飲みます。また、これでうがいをすると、たんが予防できますので、多めに作り、フリージング用ポリ袋で冷凍するか、お茶缶などに入れて保存しておきたいもの。


あせもにびわ葉湯

 びわの葉の煎じ液を、そのままガーゼなどに浸し、湿布すると、あせもや皮膚炎に効果があります。また、お風呂に入れて入浴しても、あせもには功を奏します。煎じるのが大変なときには、乾燥させたびわの葉を布袋に入れて、水から沸かし、入浴します。これでも結構皮膚炎やあせものかゆみは治まります

あんずの効能

12月 15th, 2008

 あんずの英名はアプリコット。現在ではカリフォルニアが主要産地になっています。原産地は中国。中国では杏子と書きます。杏子の林を杏林といい、これは医者のことで、昔、中国の名医が治療代を取る代りに杏を植えさせ、数年で林になったという故事に由来しています。

 あんずの主な薬効は、その種に含まれているのです。種の殻を取った中の核(仁) に薬効があり、それは〝杏仁″と呼ばれています。これが漢方薬の主成分で、せき止め、のどの痛み、便秘に効くのです。
 この〝杏仁″という文字は中国料理店のメニューのデザートの中で見かけることがあります。あの杏仁豆腐です。甘ずっぱくて、くせのある香りが、杏仁というわけです。これは、薬用にする杏仁とは種類が少し違うのですが、薬効がないわけではありません。やはり、せきを緩和する、のどを潤すといった効果を持つのです。また、杏仁湯と呼ばれる飲み物も、消化を助ける働きをする杏仁を使った中華デザートの一つです。

 なるほど長い歴史の中で植物を食生活にも用いてきた中国ならではの食べ物といえましょう。
 種はともかくとしても、あんずにはどのような働きがあるのでしょうか。あんずの成分は、リンゴ酸、クエン酸、ブドウ糖、果糖、ビタミンA、B2、C、鉄分、リンなどです。身体を温め、腸の働きを整え、疲れを回復させる効用があります。ゆえに、冷え性、便秘、疲労回復の薬効を持っています。特に干しあんずにはミネラルが多く、手軽に食べたい乾燥果物です。

冷え性にはあんず酒を

 冬は身体が冷えやすく、特に手足が温まりにくく、また夏は手足がほてりやすいという人は、冷え性で、あまり血液の循環がよくない人です。あんずには身体を温める働きがありますから、干しあんずを毎日数個ずつ食べるようにします。あんずの作用で少しずつ身体が改善されていき、冷え性もよくなるはずです。
 よりがんこな冷え性の人には、あんず酒がおすすめです。あんず1kgをよく洗い、保存瓶に入れ、氷砂糖400g、ホワイトリカー1.8ℓを注ぎ、3か月保存し、実を取り出して、そのまま2か月ほどさらに放置します。毎日盃1~2杯くらいずつ飲むと効果的です。

便秘にはそのまま食べる

 生でも干したものでもあまり効果のほどに変わりはありませんが、生のものは手に入りにくいことがありますから、手軽なのは干しあんずです。一日3回1~2個ずつ食べましょう。綬下作用がありますから、腸の動きが活発になり便の通りがよくなるでしょう。

暑さ負け、疲労回復に干しあんず

 成分のクエン酸、リンゴ酸、ブドウ糖などは疲れを回復させる作用を持つものです。干しあんずはカロリーの点からも、すばやく効果を表わす食べ物です。夏の暑さで疲れがたまり夏パテ状態が起きたとき、激しいスポーツで疲れが蓄積したときなどに干しあんずを数個食べます。糖分が作用して、早く元気が出て、またクエン酸の働きで疲労も回復するはずです。